ここ最近のSNSといえばInstagram・FacebookそしてX(旧Twitter)。
そのXの対抗馬として注目を浴びているのがBlueskyとして話題になっています。
今回はアカウントを作ってみてどんなふうに感じたかを私なりに考察していきたいと思います。
※この記事は2024年2月現在の雑感です。
あくまで個人的主観による分析となりますのでご注意ください。
目次
ブルースカイとは
Twitter創始者のジャック・ドーシー氏が携わり作られたSNS。
2023年に招待制で発足したこのSNSは、Xと似たUIや使用感であり、Xの対抗馬として注目されていた。
そのブルースカイが2024年2月より招待制を廃止し、オープンにされたことでユーザーが増え始め話題になった。
ブルースカイは分散型SNSを謳っており、従来型とは異なる形式をとっている。
集中型SNSのXでは、年々おすすめ機能が強化されてきており、
そのユーザーの趣向にあった関心度の高い投稿を自動的に表示されるようになっており、
とにかく勝手に流れてくる情報を貪ることができる。
反対にブルースカイはタイムラインに表示される投稿を自分でカスタマイズしていくスタイル。
その他アプリやサイトとの連携もできるように開発が続けられているそうだ。
ここ最近荒れているXから乗り換えようか検討しているユーザーも多く見られるようだ。
Xとブルースカイの違い
Twitter創業者が携わっているということで、
Xとブルースカイは非常に似ているように思います。
ところがどうでしょうか、
純粋に考えて世界的にやり手の経営者が二番煎じを今更作るのでしょうか。
まずは機能的な部分から見ていきます。
機能の比較
ブルースカイ | X | |
---|---|---|
方式 | 分散型 | 集中型 |
最大文字数 | 300文字 | 120文字 |
画像投稿 | ◯ | ◯ |
動画投稿 | × | ◯ |
DM | × | ◯ |
鍵垢 | × | ◯ |
ハッシュタグ | × | ◯ |
タイムライン | 自分でカスタマイズ | レコメンド |
パッと見た感じ、できることがかなり少ないように感じます。
まだ発足したばかりなのでこの先に色々実装してできることが増えてくると思いますが、ここまで違うのに何故似たツールの様に感じるのでしょうか。
それはやはり、ボタンのレイアウトやタイムラインの表示の仕方が酷似しているからです。
ただその一点だけが似ているだけで同じようなツールと錯覚してしまっています。
そのおかげでXからのユーザーの獲得にかなり貢献していると見ていいと思います。
ですが、上記表で一番注目すべき点は「タイムラインの構成」の部分です。
ここにより全く別物のツールとなっています。
おそらく他の部分は今後のアップデートで色々実装されていくと思いますが、私の予想ではDMやハッシュタグは実装されず、違う形での実装になると予想してます。
何故かは後述します。
ブルースカイ特有の機能
では劣化版のXなのか?
Xと同じという先入観からXのような使い方を誰もが想像してしまいがちですが、
ブルースカイ特有の機能を見ていくと使い方が見えてきます。
分散型?集中型?
一番の違いと言えるこの方式の違い。
今までのSNSでは運営側のシステム(AI)がユーザーの趣向を読み取り、本人が好きであろう、興味があるであろう事柄を自動的に流す方式でした。
これは、SNSを利用する頻度を上げ、とにかく依存させることに重きをおいて開発されたツールであるからです。
スキマ時間でアプリを開き、自分の趣向に合わせた単発的な快楽が無限に流れてくることで、そのSNSにどんどん依存させる方式だからです。
逆にブルースカイはどうかというと、自分で設定してタイムラインをカスタマイズしていくので、
勝手に知らないアカウントの情報はタイムラインに流れてきません。
欲しい情報を自分でコントロールする必要があり、逆に見たくないものはずっと流れてこない方式をとっています。
つまり分散型とは、運営が管理するのではなく、管理を「分散」させて個人で管理するということを指しています。
そのためDM等の重要性は低く見ていると思います。
無設定だとフォローしている人の返信まですべて表示されてしまいます。
Xよりももっと密にフォロワーの情報が流れてくる形になっています。
コンテンツの制限
これはまだ私も試していないのですが、
他のSNSでも共有が可能ということです。
また、オープンソースのため、ユーザーが新機能やアプリの開発プロジェクトがあるそうです。
今後こういったユーザーの意向で様々な機能が追加されていく可能性があります。
つまり機能的部分も分散して管理させていく形になると思われます。
おそらくそうなると必ず問題になってくるのがセキュリティの問題が出てきそうですが・・・
その辺りはブロックチェーン等のWEB3の技術が参入してきたりするともっと注目を浴びそうです。
独自ドメインの利用
自分のウェブサイトを持っている場合、アカウント名を独自ドメインにすることが可能です。
自分のウェブサイトにビーコンをアップロードして承認させるか、ドメインのレコードにブルースカイのレコードを記載して認証させる方法があります。
どちらもとても簡単にできます。
これによりアカウントに公式性をもたせることが容易なため、
企業や団体などの公式アカウントである証明が簡単にでき、なりすましをしにくくしているようです。
比較のまとめ
ここまでで、Xとは全く違う運用目的で開発されたツールであることがうかがい知れます。
私もXやFacebookを使っていて広告や見たくない投稿など嫌な思いをしてしまいつつも、どうしても開いて見てしまう毎日でした。
まんまと運営の目的とする流れに乗っかってしまっていますw
レコメンドをせず、自分で見たいものをカスタマイズし、追加機能も自分で選んでいくというパッと聞くとハードルが高い様に感じますが、
精神衛生上かなりよく見えます。
既存のSNSの肝であるレコメンドが無いというだけでここまで違ったツールになっています。
おそらくXにUIを似せて機能的な部分を似通わせているのは、全くの新規で立ち上げるより既存のユーザーを獲得しやすく設計しているだけなのだと思います。
現代人は特にシステムに流される傾向にあるため、全く新しい革新的なツールより、使い慣れて直感的に操作できるものに流れる傾向にあるため、プロジェクト発足時の初期ユーザーの獲得のハードルを下げ、スタートから注目を浴びれるように作ってあるのだと思います。
正直ここまで新しい内容だとかなり実験的な運用にも見えなくもないです。
既存のSNSとの運用レベルの違い
ここで軽くマーケットの観点で見てみます。
ユーザーからの収益モデル
新しいツールをただ単に無料で配布しても開発元はうるおいません。
各SNSやツールがどういった収益モデルをしているか、それを獲得するためにどういう施策をしているか見てみます。
You Tube
言わずとしれた動画投稿プラットフォーム
◯収益モデル
動画広告
◯収益方法
とにかく長時間動画を視聴してもらう
◯施策
ユーザーの趣向に合わせた動画を次から次へと表示させ依存させる
・動画表示の外枠におすすめ機能
・ホーム画面へのおすすめ表示
これによりユーザーがどう流れていったかファネルで収集されており、細かいビックデータの収集がなされている
Twitch
ゲーム配信を中心としたライブプラットフォーム
◯収益モデル
サブスクや投げ銭
◯収益方法
ストリーマーにコミュニティを形成してもらい
ストリーマー同士やユーザーのコミュニティを作り、応援をしてもらう
◯施策
公式企画などでストリーマー同士の繋がりを作る
ホストやレイド等ストリーマー間でコミュニケーションやつながりを作り、ユーザーに流動してもらう
ストリーマー企画等イベントを率先的に行っているストリーマーをパートナーにし、ネットワークを促進
X・Facebook・Instagram
既存の大手SNS
◯収益モデル
広告掲載
利用レベル変更のサブスク
◯収益方法
ユーザーの趣向の情報にあった広告を表示し、効果を出す
◯施策
ユーザーの趣向の情報 ビックデータを収集し、効果の上がりやすい広告を発信
そのため、そのユーザーが何をどれだけ見ているかという情報を細かく収集している
ユーザーの分類 セグメントやオーディエンスなどのカテゴリで管理されている
ブルースカイ
まだどのような収益モデルかは不明ではあるが、
招待制を解除したことで多くのユーザーを獲得し始めたことで活発化してくる可能性がある
例えばアプリ開発の権利費用だったりフィードの発信だったりの機能制限解除的なことが一番ハードルが低いような気がします
営利目的の利用
現在企業やインフルエンサーなど、自分を発信するために様々利用されている各SNSですが、
営利目的で利用する場合はほとんどの場合、広告を出したり、自己のコンテンツを発信してユーザーを獲得する流れが常識となっています。
ですが、現在広告を打って人を集めることができないブルースカイが今後どのような収益形態をとっていくのかがかなり見ものです。
ブルースカイ雑感のまとめ
ここまででかなり違う目的をもって作られたSNSということがわかりました。
世界の頭の良い人達がやることなので単純に作られたものではないと思いますが、
昨今のDAOやブロックチェーンなどとWEB3に世界的に以降していく流れに合わせた、
実験的な部分も垣間見えるSNSに見えます。
とても重要なことですが、このSNSはXとは違うということをしっかり認識して運用を考えてみることをおすすめします。
Xのサブ垢的な運用をしようと開設すると、結局作っただけで終わると思います。
それだったらXで作れば良いのですから。
情報発信のプラットフォームとして利用する場合、一番大切なことは、そのプラットフォームに自分が発信したいユーザーが居る可能性があるかどうかです。
そして現在自分がメインとしているプラットフォームで成功しているのであれば、別プラットフォームでは別の集客を考えなければ意味がありません。
たとえばYou TubeからTwitchやニコ生に移行する場合、一緒にユーザーが流れてきてくれるのは大手だけ。
ユーザーは自分が使い慣れたツールで気軽にコンテンツを視聴したいのがとても強いからです。
かなりハードルが高い行為なのです。
現状のブルースカイでは予想しかできませんが、今後オープンソースであることをもっと全面にUIに反映していくと思います。
私はそういった開発技術は持ち合わせていないため、技術的な情報を集めて見たいと思っています。
また、フォロワーを獲得できなければ情報発信すらままならないプラットフォームであるため、
ブルースカイ上でどのようにコミュニティを形成していくか、広げていくかが非常に鍵になると思われます。
ただ単に呟いているだけでは広がりを見せないのがこの仕組みだと思います。
なんとなく旧Twitterっていうよりmixiに近い印象を受けています。
流行るかどうかは全く予想できませんが、この新しい仕組みが世の中にどう波及していくか、少し楽しみです!
ちなみに私のブルースカイはこちら
ここまで偉そうなことを言っておいて私自身はまだもんもんとして何もしてませんがw
https://bsky.app/profile/kusieru.com
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